■ - なりあき　YEAR BOOK

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

読書日記。
鷲谷いづみ『〈生物多様性〉入門』（岩波ブックレット）。

読了。

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薄くて、読みやすい。

そして、安い（といっても６００円前後なので、微妙なところでもありますが）。

聞いたことがあるようで、あまり詳しくない「生物多様性」について。

書名にあるように、あくまで「入門」なので、「生物多様性」のことについて概略して書いてあります。

しかし、重要なことや筆者の主張・考えがまとまっており、わかりやすく書かれていると思います。

学生の時に学習した生物循環。食物連鎖。

生産者。消費者、分解者の関係。

どれか一つが欠けると、バランスが崩れてしまう。

わかりやすい例で言えば、既存種を脅かす外来種の存在。

外来種が既存種を駆逐してしまう。

そうなってしまうと、既存種えお栄養源にしていたもの、あるいは、既存種ｎよって育まれてきたもの・・・、そういった「微妙なバランス」が崩れてしまうことになります。

個人的に関心の場所。

葉に水玉がつく。
水玉を吸収するのでなく、はじく葉の技術。
その構造を解明し、雨をはじきｙすい雨傘の開発に応用されている。

あるいは。

群れをなして飛ぶ鳥。
お互いにぶつからず、群れ前提が、一つの生命体のようにして、同じ方向に飛ぶ。
なぜ、ぶつからずに飛ぶことができるのか。
その「なぜ」を簡単な理論で解析することで、車の自動運転の技術に応用が進んでいる。
（お互いの車がぶつからないように、一定の距離・間隔を保つ）

そう。

こういう多くの種が存在することによって、人間の生活に役立つことになる。

絶滅してしまえば、そういうこともできにくくなる。

しかし、そんなことよりも、やはり、種の多様性によって、この地球上の生命体、生命郡は成り立っているんだと、実感。

どこかのレビューにもあったような木がするけれど、国語の教科書に採用されてもいいような文章。

内容はもちろん、文章の構成や段落、筆者の主張・考えを読み取るという点でも。

そして、読んだ人が、どのように受け止め、考えるという点でも。

よい本だと思います。

筆者の鷲谷いづみさんは、他にも生態系に関する本を多数、執筆されているのですね。

少しずつ読んでみようかと思います。

読書もこのようにして、広がっていくのです。

〈生物多様性〉入門 (岩波ブックレット 785)