読書日記。『朽ちないサクラ』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

読書日記。

読了。
柚月裕子『朽ちないサクラ』

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柚月さんの本は、『パレートの誤算』に続き、２作目の読破。

他にもいろいろ出版されているようなので、機会があれば読んでいきたいかなと思います。

さて。

『朽ちないサクラ』。

柚月裕子さんのことをあまり知らないので、なんとも言えませんが、サスペンス（ミステリー？）小説方面の作家さんなのでしょうか。

今回は、警察官（といっても事務職）が主人公でした。

そして、とある殺人事件が発生し、それを解決していく。

事件を解決していくうち、つまり、読み進めていくうちに、いろいろな事が判明していき、点と点が結ばれ線になっていく…。

そんな展開。

いろいろ書いてしまうので、ネタバレになってしまうので、詳しいことは書きません。

う～ん…。

物語の展開、登場人物の描写、心理の推移…などなど、よかったと思います。

あまりよい表現ではないかもしれませんが、「『２時間ドラマ』にちょうどいい」というような感じでしょうか（ごめんなさい）。

先にも書きましたが、物語の展開はいいし、物語が進むにつれ、人間関係の交差などなど、（素人が評するのもなんですが）巧いなと思いました。

ただ。

ちょっと、いろいろ、ツッコミどころが多いというか…。

物語の結末にも、ちょっと、物足りない、というより、不満が…。

何か問題が解決したようでしていないような感じです。

警察の内部事情（のようなもの）は、「たぶん現実にもこうなんだろうなぁ…」と重いながら読みました。

だからこそ。

主人公が事件を捜査していく過程で、いろいろ整合性というか、なんというか。

主人公は、警察官といっても、事務職に務める方。

その方が、殺人事件の捜査をそう簡単にできるものなのか、と。

同僚、あるいは、上司の警察官がいるにせよ、です。

裏を返せば、その設定だからこそ、この『朽ちないサクラ』の物語が成立している、あるいは、面白くしているのですが…。

あと、少し話が飛躍しすぎるというか、散漫になっていくような向きも、個人的には感じました。

書名に使われている「サクラ」。

初めてそいう意味の隠語というのを知りました。

だから『朽ちないサクラ』なのか、と。

だから、事件を捜査していくなかで…。

サスペンス小説、なかなか難しいです。

まあ、いろいろなことは、「小説」と割り切って読むと、十分楽しめる小説でした。

個人的には、本書を読みながら、ドラマ化するなら、登場人物のそれぞれを特定の俳優・女優さんを重ねながら読みました。