読書日記。『私は忘れない』 - なりあき　YEAR BOOK

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

読書日記。

読了。
有吉佐和子『私は忘れない』。

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去年、２０１４年、有吉佐和子さんの没後３０年を記念して（何か少し変な違和感がありますが）、各出版社から多くの、有吉佐和子さんの本が復刊されました。

その中の１冊。

内容紹介の文。

日本のめざましい経済成長の陰に、電信電話もなく台風の被害も報道されない僻地。海の荒れる時は定期便の船さえ近づけない閉ざされた南の離島、黒島。スターの座を夢みながらチャンスを逃した門万里子は単身黒島へ旅立ち、自然との闘いの中でたくましく運命を切り開く人々の純朴な姿に心を打たれる―。明るい筆致で、厳しい日常生活の中に人間らしさの恢復を試みた問題作。

文庫本の「解説」などで知ったのですが、有吉佐和子さんは、数々の作品で、「離島」を扱った作品を書かれているのですね。

恥ずかしながら知りませんでした。

でも、この『私は忘れない』を読んで、やはり、どこか「社会問題」に触れている気がしました。

物語のあらすじは上記に書かれている通りなのですが、その「離島」に住む人々の生活感あふれる描写。

ありありと目に浮かんできました。

今読むと、やはり「昭和」という感じがどこか漂ってくる言葉遣いなどもありますが、かつての日本はこうだったんだろうな、と感じ入る部分。

そして、あるいは、今もなお、本作に描かれいるような暮らし（に近い）をしている島々もあるのではないかと、想像します。

「島」という閉ざされた世界。

そこに描かれる人間の喜怒哀楽。

日本独特の「村社会」。

やはり、社会派（と自分では思っている）の有吉佐和子さんの小説でした。

題名にもなっている「私は忘れない」。

人間というのは、怖いもので、「忘れない」と誓っても、日々の日常生活を忙しく過ごしていると、忘れていってしまいます。

「私は忘れない」。

胸にずしりと響く言葉です。

有吉佐和子さんとは、地元が同じ。

だけれど、『恍惚の人』しか読んでいません。

もちろん、『華岡清秋の妻』、『複合汚染』など数々の有名作品の題名は知っていますが、本を読むまでには至っていません。

少し遅ればせながら、これを機会に、有吉佐和子さんの本をいろいろ読んでみたいです。

いや、読みます。

・・・という矢先から、もう違う作家さんの本を読んでしまっていますが・・・。

だって、手元にない…。

買うしかない。

某Amazonさんがお薦めする有吉佐和子さんの本を読んでいこう（笑）。

あるいは、ブクログや読書メーターを参考に。