読書日記。湊かなえ『望郷』 - なりあき　YEAR BOOK

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

今日は、朝型の雨の激しい雨、すぐに止む。

そして、晴れ間も見え・・・ず、曇天の一日でした。

さて。

読書日記。

読了。

湊かなえ『望郷』

f:id:yoshida-nariaki:20150419220408j:plain

ブクログから。

望郷

著者 : 湊かなえ

文藝春秋

発売日 : 2013-01

ブクログでレビューを見る»

瀬戸内海に浮かぶ「白綱島」という架空（たぶん）の島を舞台にした６つの短篇集。
個人的には、「光の航路」が一番よかった。また「海の星」「石の十字架」も。

「海の星」は、日本推理作家協会賞（短編部門）受賞作というのも肯ける。

『告白』のような後味の悪い読後感は、どの短篇にはない。しかし、物語の所々に垣間見える「島」という閉鎖された社会に住む人々の感覚が、湊かなえさん独特の描写で描かれ、「ああ…」という気持ちになる。

日本の村社会。

湊さんの本をたくさん読んだわけではないけれど、長編小説も面白いと思うが、短編小説の方が、より「読ませる」と感じた。

湊さんは、長編小説が主だと思うが。

湊かなえさんといえば、やはり『告白』になってしまうのかもしれませんが、何というか、「あの後味の悪い読後感」があるので、読み返していません。

先日、有吉佐和子さんの『私は忘れない』というやや短い長編小説を読みました。

偶然にも、「島」を舞台にした小説。

書かれた年代は、大きく違えど、「島」独特の閉塞感と、日本の「村社会」を感じました。

読後感は、どちらも、開放感を味わえました。

「島」を舞台にした小説群を読み進めるのも面白いかもしれません。

あと、瀬戸内海の方面に旅行したい気分にもなりました。

あと、これは、どうでもいいことですが、「八日目の蟬」、NHKのドキュメンタリーであった離島に住む若者のドキュメンタリーのことも、思い出しました。