なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書日記。『殺人鬼ゾディアック』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」


読書の秋。

今回のブログ、かなり長いです。

お時間のある方(も、そうでない方も)、少し目を留めて、読んで頂けると、望外の喜びであります。

普段使わない言葉を使いました。



さてさて。

本題。

読書日記。

読了。
『殺人鬼ゾディアック――犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』(亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ Ⅱ-3)

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かなりインパクトのある表紙です。

(原著は「もっと」ですが)


まず、率直な感想から。

何ともいえない読後感、です。


まず、この書籍の内容紹介の文章を引用。

平山夢明氏推薦!!
「なんてこった! 捨て子だった自分のルーツを探しに出た著者が辿り着いたのは迷宮入りした連続殺人犯であった父の姿。 決して触れてはならないパンドラの箱を開けた男の先には想像を絶する地獄があった!」

1960年代末に全米を震え上がらせた正体不明の猟奇殺人犯“ゾディアック”。あらゆる捜査をかいくぐり、迷宮入りした殺人事件の“真相”がついに明らかに!?  全米騒然の話題のノンフィクションがついに翻訳!

生き別れた実父を探そうとした男が心ならずも掘り当てたゾディアック殺人鬼の正体。 全米を恐怖に陥れ、警察を愚弄した連続殺人犯は、幼少時代を日本で過ごした、非常に頭のいい、うぬぼれ屋の、この上なく残忍な“負け犬”だった!!




やけに「!」マークが多いのが気になりますが。

でも、この本を読むと、なんというか、人生の巡り合わせというか、人の運命というものは…、と感じざるを得ません。



真相や如何に…。

とても良質なノンフィクションです。

亜紀書房さんの回し者ではないですが、亜紀書房さんは、良質なノンフィクションを翻訳、出版しています。

多くのマスメディアで、書評が書かれました。

ご存じの方も多いでしょう。
帰還兵はなぜ自殺するのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)


また、こちらの本も。
ハイジャック犯は空の彼方に何を夢見たのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-2)




いや~、どちらも濃厚なノンフィクションでした。



ああ。


長くなった。

『殺人鬼ゾディアック』の話でしたね。



ブクログから。

気合を入れて書いたので、長いです。

内容は書籍通り。

1960年代に発生した連続殺人事件。
「ゾディアック」とは、「犯人」がマスメディアに送った犯行声明に自分から名乗った名称である。

すべては、「ある男性」が未成年の少女を誘拐し、結婚し、その間に子どもが生まれたことから、それぞれの人物の数奇な運命、人生の物語が始まります。

著者は出生に秘密をもつ男性。
ある日、育ての親から「生みの母親が名乗り出た」と告げられ、電話でのやりとりから始まり、サンフランシスコに住む実母と交流をはじめます。

そして、実母との交流のなかで、行方不明の実父を捜そうと決意する著者。
しかし、そう簡単に見つかることもなく、探せば探すほど、「実の父親」の「過去」がわかってきます。

実の母親は、当時のことをよく覚えていおらず(未成年だったということもあるでしょうし、思い出したくない部分もあるのでしょう)、筆者は、警察の記録に行き着くことになります。
その手がかりにたどると、父親には公開できない記録がある…。

ノンフィクションライターでもない、一般人である著者が、
親戚、実父の友人、新聞報道、警察関係者、そして母親の証言により、父親が「ゾディアックである証拠」を徐々につかみます。

そう、実父が連続殺人犯「ゾディアック」かもしれないということに。



個人的には、本書の半分ほどを占めるであろう、筆者が実の父親が連続殺人事件の犯人であるかもしれないと思い、「真実」を求めていく姿、あるいは、その執念とも言える情熱に引き込まれました。
(原著の書評を、発売前と読了後に、海外のAmazonなどで読みましたが、高評価があるのも肯けました。購入するきっかけともなりました。)

何ともやりきれない思い、ただ悲しいという思いも交錯し、形容しがたい読後感がありますが、ただそういう物語というだけではありません。

本書の最後の文章や、あるいは、「訳者あとがき」に書かれているように、ある種の「救い」「赦し」のようなものも感じます。

それでも、やはり何ともいえない読後感ではあります…。


さて、著者の「実父」が「ゾディアック」であるか否かということ。

これは、本書を読んで頂き、各個人の判断にお任せしたい。

以下、個人的な判断です。

本書の表紙を飾っている顔写真と「ゾディアック」の似顔絵は似ているともえいるし、似ていないかもしれない。

巻末には筆跡鑑定もあります。
この「筆跡鑑定」は、筆跡鑑定のプロが断定していないという条件付きです。
確かに、「ある男性」の結婚証明書に書かれたサイン、警察で書いたサインと、「ゾディアック」からの手紙にある文字には、ある一定の特徴があります。
文字の傾きや、いくつものアルファベットの独特な書き方。

そして、ゾディアックからの暗号文。そこには「自分の名前がある」と。
たしかに、「ある男性」の名前を見つけられます。
ただ、「無作為に並んだ文字列から無理矢理見つけた」とも言えますし、一定の法則があるようでもありますし、まったく関係ないようでもある。
ここは、個人的には判断が難しい。
(ただ、やはり「限りなく近い」という印象はあります)


2015年10月現在、本事件は、未解決事件のまま。


繰り返しになります。

筆者、あるいは、この表紙の男性(「ある男性」)の数奇な人生・運命の物語。
あるいは、関係する人物、人々のエピソードにもとても不思議な巡りあせせがあります。

この不思議な巡り合わせ、人と人とのつながりが、事件の真相を知る上で、時に貴重な存在になったり、時には「邪魔をする存在」にもなります。


ともかく、著者の数奇な人生、あるいは、それらにまつわることに思いを馳せると、「人の運命、人生というものは…」と感じずにはいられませんでした。



ここで書いたこと以外にも、「『ある男性』(本書の表紙を飾っている顔写真の男性のことです)がゾディアックである」という関係を匂わせるものもあります。

連続殺人事件の被害者となったカップル()、特に女性が「ある男性」の元妻に似ているということもあります。

元妻(あるいは、筆者の実母)の若かりし頃の写真と、被害者である女性のの写真もあります。

似ていると言われれば、似ています。

ここも、読んだ人の判断に委ねるしかないですね。



ともかく。

濃厚なノンフィクションでした。


おすすめです。



殺人鬼ゾディアック――犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ Ⅱ-3)











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