なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書日記。『悲しみのイレーヌ』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」


寒いですね。

この冬一番の寒波がやってくるとか。

自分が住んでいる所もすごく寒いです。

「暖冬」傾向の今季の冬でしたが、ここに来て一転。

真冬並みの寒さ。

暖冬だったこともあり、寒さも余計に身に染みます。

この冬一番の寒波の後には、平年を上回る気温になり、春のような陽気になるとか…。

う~む…。

コロコロ変わる天気。

どうか、お体にお気を付けくださいませ。


さてさて。



読書日記。

読了。
ピエール・ルメートル『悲しみのイレーヌ』(文春文庫)

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・・・。

読書人生の中で、上位を争う後味の悪さでした。

こう表現すると、アレですが、作品自体は楽しめました。

ミステリー小説として充分に、楽しめました(表現が適切かどうかわかりません)。

でも、後味の悪さは抜群です(笑)。


最初に言っておきます。

こういう類の本が苦手な人は、あまり読まない方がいいかも。

確かに、多くの人に進められる本ではないかもしれないですね。

本当に、ミステリー小説が好きな人か、『その女アレックス』で「耐性」「免疫」ができた人くらいか。



少し話は逸れて。

ピエール・ルメートルさんといえば、たぶん『その女アレックス』が有名なのではないでしょうか。

しかし、ピエール・ルメートルさんの日本デビュー作は『死のドレスを花婿に』です。

でも、筆者のデビュー作は、このブログで取り上げる『悲しみのイレーヌ』(原題は“Travail soigné”です。)

日本での、『死のドレスを花婿に』出版当時は、知る人ぞ知る作家・作品として注目されていたようですが、『その女アレックス』(文春文庫)が出版されると、口コミでじわじわ広がり、そしてメディアなどにも取り上げられ・・・、

日本においては、少し変わった認知のされた方です。
(自分もそうですが)。

日本で出版された本を順番に紹介すると以下の通り。
(イタリック体は本国フランスでの出版年)

2009年7月『死のドレスを花婿に』(柏書房) 2009年
2014年9月『その女アレックス』(文藝春秋社) 2011年
2015年4月『死のドレスを花婿に』(文藝春秋社) 2009年
2015年10月『悲しみのイレーヌ』(文藝春秋社) 2006年
2015年『天国でまた会おう』(早川書房) 2013年

 

日本では、『その女アレックス』で有名になり、その後他の作品が日本語訳されて出版されています。

まだまだ未訳のものが多いので、そちらの方も楽しみです。


ちなみに、自分が読んだ順番は・・・。

『その女アレックス』→(他の作家の小説や違うジャンルの本をたくさん読んでいる年月)→『天国でまた会おう』→『死のドレスを花婿に』→『悲しみのイレーヌ』です。


つまり、『その女アレックス』から『悲しみのイレーヌ』までの間、かなりの時間の隔たりがあります。

以下のブクログにも書きましたが、『その女アレックス』の細部をほとんど忘れていたので、良くも悪くも、『悲しみのイレーヌ』の結末がどうなるかわからずに読むことができました。

『その女アレックス』を読んで記憶が残っている方は、記憶を一時的に抹消して、読んでください。

『その女アレックス』を読んでいない方は、まず、『悲しみのイレーヌ』から読んでください。

(でも、あまりにも描写が凄惨すぎるし、「犯人」のことを考えると・・・)

まあ、とにかく読んでください。



少しずつ本題へ。

『悲しみのイレーヌ』は、ピエール・ルメートルさんのデビュー作で、かつ「カミーユ・ヴェルヴェーレン警部シリーズ」の1作目。

いやはや、この『悲しみのイレーヌ』がデビュー作だったとは・・・。

繰り返しになりますが、ピエール・ルメートルさんが描く殺人事件は、フィクションであるとはいえ、かなり残忍な描写で、気持ちが悪くなります。

『悲しみのイレーヌ』では、事件が多いので、もう・・・。

そして、読後感(結末)の、この上ない後味の悪さ…。

映画化は、もう「18禁」間違いないです。

いや、違う意味で映画化は無理ですね。これは。


ネタバレに注意しながら、書きます。



まずは、ブクログから。

筆者のデビュー作で、ヴェルーヴェン警部シリーズ1作目。

評判だった『その女アレックス』を先に読んでいたのだが、細部を忘れていたので、個人的には「ネタバレ」は感じず、本書の読後感の後味の悪さは、この上なかった。

本書冒頭から始まる殺人事件が、これまた凄惨な描写。
(ここで読むのを止めてしまう人が多いかも。でも、少し我慢して読み進めて欲しい。)

また、物語の内容・展開のために、殺人事件(そのどれもが凄惨なもの)も多く出てくるので、こういうのが苦手な人は読みにくいだろうが、丁寧に展開を追っていくと、様々な伏線がきれいに置かれていることが、クライマックスを迎えるにつれわかってくる。

また、他の実在するミステリー小説も絡ませ(上記のように凄惨な事件)ているのも、巧みな仕掛けになっている。

小説の中の「新聞記事」「手紙」といった小道具もストーリーテリングに使われている。

『その女アレックス』よりも『悲しみのイレーヌ』の方が、はっきりいって、猟奇性、凄惨な描写が多い。

『悲しみのイレーヌ』も、『その女アレックス』と同様に、物語(事件・犯人追及)が、次々と「どんでん返し」されていき、思いもよらない展開に。

そして、結末…。

どんどん読み進められます。

ただし、繰り返しになるが、猟奇的殺人事件が多く出てくるのが辛い。

だが、それでも、ページをめくる手を止めさせないストーリーテリングはみごと。

なんといっても、実在のミステリー小説と架空のミステリー小説と物語を絡ませて物語を進行させる手腕が凄いと感じた。

長い長い、とにかく長い「第一部」と、まさに正反対に、短い「第二部」・「エピローグ」の差が激しい。

そして、この上ない後味の悪い読後感。



『悲しみのイレーヌ』は、単独のミステリー小説の作品として楽しめると思う。

「ヴェルーヴェン警部シリーズ」の未邦訳の作品が楽しみである。

ただ、多くの方が指摘されているように、やはり、原題の“Travail soigné”(『丁寧な仕事』か)を考えると、邦題はもう少し考え直した方がいいと思う。




今、思い出しても、何とも言えない、読後感が漂っています。


普通、本を読むと、誰かに薦めたくなりますが、『悲しみのイレーヌ』は、難しい。

冒頭の猟奇的殺人事件から始まり、「あの結末」…。


いろいろな葛藤。


個人的には、『悲しみのイレーヌ』も充分に楽しめました…っていう表現が合わないかもしれないですが。


興味のある方、ミステリー小説が好きな方、『その女アレックス』を読了した方は、是非読んでください。
(『その女アレックス』の記憶を一時的に抹消して)


これだけは、言えるな。

『その女アレックス』を読む前に、『悲しみのイレーヌ』を読むべし。

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)


その女アレックス (文春文庫)

カミーユ・ヴェルヴェーレン警部シリーズ」です。







こちらも、なかなか。
死のドレスを花婿に (文春文庫)



個人的には、これが好きです。
天国でまた会おう






今は、切実に、爽やかな青春小説を読みたい(笑)。

でも、手元にない(笑)。

本屋だ(笑)。



いやいや、未読の本がたくさんある。

まずは、そちらからだ。



さてさて、次はどの未読本・積ん読本を読もうかな。





おまけ。
『悲しみのイレーヌ』で扱われた海外のミステリー小説、気になる。
読みたい。
またまた本が増える・・・。

















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