読書日記。『脱出』
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
読書日記。
読了。
吉村昭『脱出』
文庫本の帯に「敗戦へとなだれ落ちる日本ー」とあります。
五つの短篇からなる、短篇集。
時代は、第二次世界大戦末期、そして、終戦日、その直後が、主になっています。
短篇で扱われる舞台もさまざまで、樺太や瀬戸内海のとある島、また、沖縄本島や、激戦となったサイパンまで、さまざまです。
主に少年の視点を通して、戦争末期、終戦を迎えた日のこと、その直後の混沌とした時代を描いています。
フィクション、短編小説なのですが、ほとんどノンフィクションのような物語に感じられます。
筆者が見聞きした事。あるいは、筆者自らが体験したこともおりまぜているのでしょうが、そこには、類を見ない緊張感があります。
感情を抑えた、客観的な視点からなる文章ですが、不思議に、登場人物の感情がひしひしと伝わってきます。
あるいは、感情を直接的に描かないことによって、読み手にその感情の受け止め方を負かしているのでしょうか。
吉村昭さんの筆致力は、すごいです。
(語彙が陳腐ですみません)
戦場となった舞台がほとんどですが、瀬戸内海のとある島を舞台にした「鯛の島」は、それほど空襲といった直接的なものはありませんが、ムラに伝わる独特な風習を絡ませていて、なんともいえない感じです。
以下、ブグログから。
小説だけれど、この5つの短篇に描かれていることは、本当にあったかもしれない。
あるいは、筆者が人から見聞きした、または筆者自ら実際に
見聞きし、肌で感じたことが大いにあるだろう。
特に「玉音放送」の前と後の人々の感情のありようは、戦争を知らない世代にとって、知らないことばかりだった。
個人的には、沖縄が舞台の「他人の城」、サイパンが舞台の「珊瑚礁」が胸に刺さる。
ブクログの最後にも書きましたが、「他人の城」、激戦となったサイパン島を舞台とする「珊瑚礁」は、戦争によって、運命に翻弄されていく人々の姿が描かれていて、どうしても「戦争がなければ」と考えてしまいます。
詮ないことなのですが…。
吉村昭さんの作品は、ほんとうに直接的な感情表現は描かれず、会話文も少なく、ほぼ地の文だけで進む感じがします。
その分、読み手、一人一人にその感情の受け止め方が違ってきて、味わいがあるのかもしれません。
戦争末期の市民の生活を描いた作品は少なく、またあまり知られていないことが多いと思うテーマもあります。
そういうった意味でも、読み継がれるべき作品だと思います。
おすすめです。
さてさて。
吉村昭作品は、ひとまず、これまで。
買いだめした(といっても数冊ですが)本がなくなり、手元に吉村昭作品がありません。
また、「積ん読本」が気になってきて、「そちら(積ん読本)を、そろそろ読み始めなければ」と頻繁に気持ちが横切ることが多くなってきたので、とりあえず、ぼちぼちと読んでいきます。
その間に、吉村昭作品で、読みたいな、と思う作品を探しつつ、です。
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