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なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書日記。『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う』

読書

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

 

 

朝、晩、めっきり涼しくなってきました。

 

少し肌寒いかも。

 

半袖、半ズボンで家で過ごすのにも肌寒いです。

 

そろそろ衣替えですね。

 

遅い…。

 

 

さてさて。

 

読書の秋。

 

読書日記。

 

読了。

ブライアン・スティーヴンソン『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う(亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-9)』(亜紀書房

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読後、いや、読んでいる間から、深いため息。

 

本書の内容は…。

 

ある殺人事件に“仕立て上げられた”黒人男性と、その「冤罪」を晴らすべく奔走する黒人男性の記録。

 

冤罪のまま死刑囚となったマクミリアン。

 

その無実を証明する弁護士であり、本書の著者でもあるスティーヴンソン。

 

その“記録”とともに、アメリカに根深い白人による黒人差別、それが司法制度において、被告人である黒人に不利に働くという問題を、数多くの事例を記録しながら、進んでいきます。

 

この「マクミリアン事件」は、『おまえが殺(や)ったと誰もが言う―南部女子学生惨殺事件の真相』上・下(ハヤカワ文庫NF)で、知っている方も多いかも知れません。

 

そして、スティーヴンソンさんの方は、近年の活躍で見聞きした方も多いかも知れません。

 

TEDとかですかね。

(自分は恥ずかしながら知りませんでした)

 

Amazonのレビューとそのまま同じですが、ブクログから。

(長いです)

価値のある一冊に出逢えた。
また、同時に“力強い寛容さ”を教えられた一冊でもある。

本書の内容は、「内容紹介文」にあるように、殺人事件の犯人に仕立て上げられた黒人と、その無実の証明に奔走する黒人弁護士の記録である。
そして、アメリカに根強くある黒人に対する偏見・差別に基づく、不当な裁判の記録でもある。

殺人事件の罪を着せられたウォルター・マクミリアン。
「冤罪」を晴らすべく奔走する、この本の著者でもある弁護士ブライアン・スティーヴンソン。

噓の証言(警察に強要されたもの)、司法取引の罠、不可解な陪審員の選定、など…、「冤罪」が生まれていく仕組みにうんざりさせれる。
しかし、そこには、明らかな、そして、根強い、アメリカ社会の黒人に対する人種差別、偏見がある。

マクミリアンには犯行当時、完全なアリバイがあり、また第三者による信頼の置ける証言があるにも関わらず、警察の面子の重視、検察を始めとする司法に関わる白人の偏見(先入観)によって、「死刑」を科せられる。
しかも、ごく短い期間に結審するのである。

「『彼らは間違いを認める気はないんだ』彼は暗い声で言った。『俺が犯人じゃないとやつらにはわかってる。ただ、自分たちが間違っていたと、悪いのは自分たちの方だと認めるわけにはいかないだけなんだ』」という言葉が響く。

死刑囚監房での話も数多く出てくるのだが、胸が締め付けられる話ばかりである。

確かに犯罪を犯した者は、法の下に裁かれるべきだが、この本に出てくる“死刑囚”の多くは。明らかに不当な(“合法的な”)裁判の下に裁かれた結果である。
(つまりは、減刑の余地があるか、無罪であるかということである)


本書は、冤罪であるマクミリアンとそれを証明するスティーヴンソンの記録が中心だが、それを軸にして、アメリカの司法制度の問題点、障碍者の犯罪、少年終身刑囚の話、監房で不当な扱いを受ける女性囚人の話についても語られる。

それらの根本は、人種差別があり、「貧困の反対語は、裕福ではなく正義だ」 という言葉にあるような“正当で平等な裁判を受けられない現状”を描いている。

知的障碍者、精神障碍者には、終身刑が科せられるが、そのほとんどが(すべてといってもいいかもしれない)、病気・障碍の程度などを裁定されずに、「黒人」という理由で裁かれる。

また、これは衝撃だったのだが、少年終身刑囚の話である。

少年が犯した罪はたしかに重い。

しかし、少年として裁かれるか、成人として裁かれるかという手続きも踏まれずに、やはり人種という理由で、成人と同等の裁判にかけられ、生い立ち、家庭環境などといった背景などは一切考慮されずに、「仮釈放無しの終身刑」に科せられるのである。
(スティーヴンソンの力によって、多くの少年は、減刑されるのだが、それも一部だと思うとやるせない)

「矯正」に力を置くよりも、「罰すべし」という力学が働くという現実。

当の少年たちの判決を受けたときの衝撃、監房での気持ちを思うと、読む手が重くなった。

「第6章 そこには絶望しかない」では、不覚にも涙がぼろぼろ出てきた。

スティーヴンソンと無言のままの少年のやりとりがあるのだが、その場面が目の前にあるように感じられて、そこにある空気感、二人の言葉にならない感情が、ひしひしと伝わってきた。

大げさな表現になるかも知れないが、この部分を読む前と読んだ後では、世界が変わったように。
まるで、小説を読み終えた時のように、である。
(なぜ、少年が無言のままだったのかは、本書を読んでほしい)


暗くて、心が重くなるような話が多いけれど、スティーヴンソンの尽力により、司法制度も大きく変化し、その後与えた影響も数多くあるので、希望もある。


こういうエピソードも心に残った。

スティーヴンソンに最初冷たく当たっていた矯正官がいるのだが(やはり“黒人弁護士”という理由で)、スティーヴンソンの裁判を通じて、自分の生い立ちを重ねて、スティーヴンソンへの対応も大きく変化したのである。

そして、このように告げる。

「人生でなにか悪いことがおこったとしても、それで私たちの人となりが決まってしまうわけじゃない。ただ、その人の生い立ちを理解することがとても重要になる場合があるってだけです」。



レビューの冒頭に「寛容さを教えられた」と書いたが、それは、「エピローグ」のp411-p413の部分である。
マクミリアンの人となり、その偉大さがわかる。
(引用をしたいけれど、長くなるのでしない。手に取って読んでほしいという思いもある。)



年間の読書量は少ないけれど、2016年に読んだ本の中で、特に優れた本だと思う。

ページ数も多く、読むのも大変かも知れませんが、多くの人の手に取ってほしいと思える一冊です。

 

ちょっといいすぎかもしれませんが、個人的には、ほんとに2016年に読んだ中で、特に優れた本だと思います。

 

多くの人に読んで欲しいかな。

 

アメリカだけの問題でもない。

 

冤罪事件。

 

本書を読んでいて、「これがもし“白人だったら…”」と思わずにいられないことばかりでした。

 

もちろん、白人女性が監房で受ける暴行の数々もあるのですが。

 

 

ほんとうに、「貧困の反対語は、裕福でなく正義だ」と。

 

貧困、差別といった問題が、こういった問題を生み出し、再生産されていく、と…。

 

しかし、これほどまでに、アメリカの白人に対する黒人への先入観、偏見、差別が激しく、根深いものかと。

 

 

亜紀書房さんは、ほんとうによい洋書を翻訳、ノンフィクションを翻訳、出版してくれるので、お気に入りの出版社さんです。

 

・・・、って、ほんとうに、関係者みたいだな。

 

こういうのも、このブログ記事で何回書いたか。笑。

 

 

おすすめです、

 

黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-9)

黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-9)

 

 

 

 

そして、今、同じく亜紀書房さんのノンフィクションシリーズを読んでいます。

 

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ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-12)

 

 

これは、けっこう重い内容です。

 

少し、読む手が止まりそうになります。

 

これも日本で起こっている社会問題と重なっています。

 

 

 

そして、この本が読み終われば(かなり時間がかかりそうですが)、次は、この本です。

戦地からのラブレター――第一次世界大戦従軍兵から、愛するひとへ (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-13)

 
 
こちらは、機会があれば、原著でも読んでみたいです。

 

ほんとに、亜紀書房さんの回し紋ではないですからね。笑。

 

 

そして、これが読み終わったら、次はこの本。

 傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

 

 

少し読み進めましたが(あれ?)、どんどん引き込まれていきます(あれあれ?)。

 

結末がどうなるのか…。

 

 

この絶版になっている本、復刊してほしいです。

おまえが殺(や)ったと誰もが言う―南部女子学生惨殺事件の真相〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)

 

おまえが殺(や)ったと誰もが言う―南部女子学生惨殺事件の真相〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

 

 

 

読書の秋、満喫です。

 

 

2016年10月3日追記。

 

Amazonのレビューに投稿したのですが、まだ反映されていません。

 

関係者の投稿と思われてしまったのでしょうか。笑。

 

それとも、Amazonで買わなかったから、…、いや、違うな。

 

 

『ミズーラ』、やはり、かなり重い内容です。

ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-12)

 

アメリカの名門大学で起こった性的暴行事件。

 

被害者の一次被害と、二次被害

 

被害を訴えることの難しさが、当事者の言葉を読んでいると、よくわかります。

 

ここは、日本でも同じですね。

 

そんななか、東京の某有名私大の事件の報道がありました…。

 

 

 

 

 

 

 

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

 

 

 

 

女のいない男たち (文春文庫)

 

 

 

 

職業としての小説家

 

 

 

 

 

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