なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書日記。『むらさきのスカートの女』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

 

暑い日が続きますね。

 

読書日記。

 

読了。

今村夏子『むらさきのスカートの女』(朝日新聞出版・Kindle版)

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今村夏子さんの作品は、『こちらあみ子』以来、2冊目。

 

芥川賞受賞作ということもあり、読んでみることに。

 

形容できない読後感です。

 

ブクログから。

 

 

「むらさきのスカートの女」と友だちになりたい、異常なまでの執着心、よく言えば熱意をもって追いかける(観察する)主人公(=「黄色いカーディガンの女」)の物語、といったところか。

「むらさきのスカートの女」が主人公に思えるが、物語の視点人物である「黄色いカーディガンの女」が、物語の中心と感じる。

「むらさきのスカートの女」の容姿、年齢、性格などは、主人公によって説明されるが、肝心の「黄色いカーディガンの女」の年齢や容姿はまったく描かれず。

ほんの少し「苗字」がわかるくらいだ。

読者は、「むらさき」のことについてだんだん理解していくが、肝心の「黄色」のほうは一向に立ち現れない。

「むらさき」を追いかける「黄色」。
その「黄色」を追いかけることになる読者。

不思議な世界。

 

 

 

万人受けする作品ではないかもしれませんが、個人的には面白かった。

 

面白かった…とは違う、何かこう…。

 

なんだろうな、このもやもや感。

 

 

Kindle

むらさきのスカートの女

 

単行本版。

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

 

 

こちらも。

こちらあみ子 (ちくま文庫)