なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書記録。『芥川龍之介全集 第3巻』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

 

芥川龍之介全集、ぼちぼち読んでいます。

 

久しぶりに読み返す一作。

 

初めて出逢う短篇の数々。

 

全集ってやっぱりいいですね。

 

夏目漱石全集』は、かなり頻繁に?刊行されています。

 

でも、『芥川龍之介全集』は、なかなか出版されない。

 

なかなか、難しいのかな。

 

“生誕○○年”、“没後○○年”といった節目でないと無理かなぁ。

 

できれば、旧漢字でなくてもいい。

 

旧仮名遣いで、刊行してほしい。

 

 

 

さてさて。

 

読書記録。

 

岩波書店芥川龍之介全集 第3巻』(1996年)

 

芥川龍之介全集〈第3巻〉地獄変 奉教人の死
Amazon(アマゾン)
901〜21,233円

 

目次

 

戯作三昧

はつきりした形をとる為めに

ほんものゝスタイル

創刊号の歌に就て

痛感した危険

首が落ちた話

西郷隆盛

英雄の器

「昔」 良工苦心

文学好きの家庭から

饒舌

傍観者より

南瓜

浅春集

世之助の話

袈裟と盛遠

文芸雑話饒舌

ババベツクと婆羅門行者

イズムと云ふ語の意味次第

豊島与志雄氏の事

眼に見るやうな文章

地獄変

ホトトギス「雑詠」欄

悪魔

蜘蛛の糸

開化の殺人

京都日記

「結婚の前」の評判

菊池の芸術

信濃の上河内

私の好きな夏の料理

私の好きな夏の女姿

奉教人の死

虚子庵小集

枯野抄

鈴木君の小説

私の嫌ひな女

るしへる

或悪傾向を排す

永久に不愉快な二重生活

私の創作の実際

後記 石割透著

(参考:国立国会図書館より)

 

 

戯作三昧」「地獄変」「悪魔」「蜘蛛の糸」「開化の殺人」「奉教人の死」「枯野抄」

 

有名どころは、久しぶり。

 

中学生・高校生の時に、読書感想文のために、読んだものもあります。

 

岩波文庫新潮文庫、いろいろ。

 

なかでも「枯野抄」が大好き。

 

死にゆく間際の芭蕉を中心にした、弟子たちの心情を描いた短篇。

 

弟子それぞれのいろいろな思惑というか、感情を描く。

 

師匠の弱々しい姿を悲しむ者、師匠の姿を見て怖くなる物、師が死んだ後のことを考える者…。

 

う〜ん、人間、いざとなった時に、思わぬ心情を抱くもの。

 

そして、そんな感情を抱いている弟子のことも知らずに、死んでいく芭蕉の内面。

 

もちろん、芥川の創作ですが、想像がすごいなぁ、と。

 

 

 

新しい発見もあったり、ブクログとか読書メーターといった書評ブログで、いろいろな感想を見て、楽しんだり。

 

ちょっと気になることがあれば、検索して、研究論文読んでみたり。

(便利な時代になったもんだ)

 

 

 

「首が落ちた話」「西郷隆盛」「英雄の器」といった初めて読む作品。

 

どれもよかったかな。

 

中でも「首が落ちた話」「西郷隆盛」。

 

「首が落ちた話」は、一瞬の時間を描いている場面が好きでした。

 

西郷隆盛」は、不思議な物語。「歴史とはなにか?」「史実とは何か」。

知っているものが本当とは限らない。

後世の人々が知っているのは、資料を通してのみ。

でも、それが正しいのか?

見たものそのもが正しいのか?(受け止める側のその時々の印象でも変わってくる)

う〜む…。

 

袈裟と盛遠」と「るしへる」は、何度目かの挑戦。

 

個人的には、なかなか頭に入ってこず…。

 

文体が合わないのか、話の筋が合わないのか。

 

 

 

第3巻に収録されている随筆の数々。

 

当時の芥川の心情をうかがえたり、大正時代の風情もうかがえたり。

 

全集を読む愉しさは、こういった随筆に触れられることかな。

 

いわゆる文豪と呼ばれる人ほど、随筆にも味わいがあります。

 

ほんの数行でも。

 

ああ。そういえば。

 

「団腸亭日乗」、日記ですが、永井荷風さん。

 

「柿の種」といった随筆が素晴らしい、文豪ではない、科学者の寺田寅彦さん。

 

すごいなぁ。(語彙力。)

 

 

 

芥川龍之介、やっぱり自分の好きな作家の一人です。

 

中古本で全集買おうかな…。

 

次は、第4巻。

 

ぼちぼち、読み進めていきます。