なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書記録。『芥川龍之介全集 第4巻』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

 

いろいろなことがあった7月も、もうすぐ終わる…。

 

早いですね…。

 

大雨による自然災害。

 

そして、今年の初めから問題になっている新型コロナウイルス

 

いろいろな行事が中止になり、生活に制限ができ…。

 

ある哲学者が仰っていましたが、「人間の究極の自由である“行動の自由”を奪ったという意味で、この新型コロナウイルスがもたらしたものは大きい」と。

 

なるほど、と。

 

あたりまえのように、学校に行ったり、仕事に行ったり、外食しに行ったり、旅行しに行ったり…。

 

よほどの理由がないかぎり、行動には制約がありませんでした。

 

自由にあちこち移動できましたもんね…。

 

 

 

ああ、話が脱線。

 

読書記録。

 

岩波書店芥川龍之介全集 第4巻』(1996年)

 

芥川龍之介全集〈第4巻〉あの頃の自分の事 蜜柑
Amazon(アマゾン)
1,783〜18,424円

 

[目次]

邪宗門

袈裟と盛遠の情交

俳画展覧会を観て

一番気乗のする時

毛利先生

犬と笛

あの頃の自分の事

あの頃の自分の事(削除分) 樗牛の事

兄貴のやうな心持

小説を書き出したのは友人の煽動に負ふ所が多い

女形次第で

予の苦心する点

下足札

「心の王国」跋

新年の傑作は誰の何?

開化の良人

文芸家たらんとする諸君に与ふ

余の愛読書と其れより受けたる感銘

小説家の好める小説家及び作風

谷崎潤一郎

有楽座の「女殺油地獄

きりしとほろ上人伝

蜜柑

沼地

余の文章が始めて活字となりし時

鑑定

佐藤春夫氏の事

大正八年六月の文壇

疑惑

「バルタザアル」の序

後世

後記 海老井英次著

国立国会図書館より参照)

 

今回も気になった作品だけを列記します。

毛利先生

犬と笛

あの頃の自分の事

あの頃の自分の事(削除分) 樗牛の事

下足札

文芸家たらんとする諸君に与ふ

余の愛読書と其れより受けたる感銘

小説家の好める小説家及び作風

谷崎潤一郎

きりしとほろ上人伝

蜜柑

沼地

鑑定

佐藤春夫氏の事

大正八年六月の文壇

疑惑

後世

 

短篇から随筆まで、いろいろ列記しました。

 

 

以下は、再読にもかかわらず、相変わらず、すっと入ってこない作品です…。

邪宗門

袈裟と盛遠の情交

開化の良人

 

他の方の寸評を読んで、「なるほど〜」とはなるのですが、なぜか、すとんと入ってこない。

 

どうしようもないですね。

 

随筆がなかなか面白いですね。

 

芥川龍之介が当時何を考えていたのかとか、気楽に書いた文章というか。

 

読む方も、力を入れずに、さくさく読めるので。

 

ただ、「大正八年六月の文壇」はなかなか、興味深い。

 

当時の「文壇」事情を知ることができるし、また、自分の知らない作家や作品名が出てくるので。

 

あと。

 

きりしとほろ上人伝

蜜柑

 

この2作品は、結構評価が分かれるようですね。

 

自分が大学生のとき、ゼミで採り上げた時もそうでしたし、書評サイトや個人ブログなんか見ていても、そう感じます。

 

不思議。

 

個人的には好きなんですが。

 

「きりしとほろ上人伝」は、文体が難しいというのがあるかもしれません。

 

「蜜柑」は、なんとなく暗い雰囲気が漂っているというか。

 

でも、一瞬の情景を切り取る、描写する文章力はさすがだなぁと感心せずにはいられません。

 

 

 

ああ、惜しいことに、時間が経つと、読んだはずの作品の印象が薄れていく。

 

もっと、丁寧に読まないといけないのかな…。

 

 

 

でも、まあ、ぼちぼち、気楽に読んでいきます。