読書日記。『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
積ん読本。
たくさんあります。
時間を見つけては、少しずつ消化。
読書日記。
読了。
高瀬毅『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』(平凡社)
「読もう、読もう」と思って、早3年近く。
購入記録を見たら、2017年8月9日。
ああ、こんなに時間が経ってしまった。
購入のきっかけ。
NHKスペシャルで、似たような特集があったこと。
新聞の書評で取り上げられていたこと。
そして、2020年9月下旬、やっと読む。
感想をブクログから。
広島には、原爆遺構としての“原爆ドーム”がある。しかし、長崎には、原爆遺構がない。あるのは平和祈念像である。
原爆の傷を語る貴重な遺産となるはずだった長崎の浦上天主堂。なぜ浦上天主堂は取り壊されたのかに迫るノンフィクション。
消えたもう一つの「原爆ドーム」、それは、浦上天主堂の廃墟を指している。
無残に破壊された浦上天主堂は、当初は、原爆の悲惨さを後世に伝えるはずの遺構として存続の方向で動いていた。しかし、一転、取り壊されることになる。
複雑に絡み合った事情と、“浦上”という“場所”が撤去につながった。
当初の目的地でなかった「浦上」。いろいろな偶然が重なり、原爆は「浦上」上空に落とされた。日本のカトリックの聖地的な場所「浦上」である。
原爆遺構として残されなかった「浦上天主堂」。
原爆が落とされたのも、廃墟となり取り壊されることになったのも、数奇な運命としか言いようがない。
出撃する前にアメリカ空軍内でミサが行われ、その後…、というのを考えても、人間の罪は深く、愚かであると痛感。
単行本
文庫本。