読書日記。『コーカサス 国際関係の十字路』
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
秋、深し。
日が暮れるのが日に日に早くなってきて、朝、晩、めっきり肌寒くなりました。
みなさん、いかがお過ごしですか?
ここ数日、お天気にも恵まれて、気持ちのいい季節です。
さて。
そんな心地よい季節。
読書(笑)。
読書ペース、順調に遅れています。
でも、やっと(?)一冊、読み終えました。
読了。
廣瀬陽子『コーカサス 国際関係の十字路』。
書名の通り・・・。
といっても、よくわかりませんよね。
コーカサス地方の国々と周辺国との関係について書かれた本です。
あまり、「コーカサス地方」と聞いてピンと来る方は少ないかも知れません。
本書は主に、南コーカサスの三国、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアと、その隣国との関係などについて、詳しく、かつわかりやすく書かれた本です。
本書が刊行されたのは、2008年。
年代的には、ほんの少し前ですが、国際政治に関する本なので、いろいろ情勢が変わっている部分もあろうかと思いますが、読み応えもあり、また、この国々と、現在、国際社会が抱えている問題と密接に関わっているということがわかりました。
それから2014年経った今、既読。
アルメニアに関する本を読んで、コーカサス地方に(関する本)興味をもったので、本書を手に入れて読んだ。
コーカサス地方(アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア)の抱える問題などについて、わかりやすく書かれている本。
黒海やイランやトルコといった隣国との石油資源の利害関係、また古くからの民族対立、政治政策、そして、旧ソ連に組み込まれていたこともあり、ロシアとの関係も絡まる。
EUとも近い関係にあるし、またロシア、あるいはトルコ、イランといった中東諸国との複雑なバランス、緊張関係になっていて、複雑な利害関係が本書から伝わってくる。
本書が刊行されてから年月が経ち、政治局面なども大きく変わっていることあるが、最近のウクライナ情勢、あるいは、シリア情勢も絡んでいるように思える。
EUとソ連と中東の間に挟まれたコーカサスの三国。ただただ、複雑な利害関係の上に成り立っているということがわかる。
筆者の新しい本があれば、読んで見たいと思う。
現在継続中の、ウクライナ情勢、あるいは、シリア内戦(とそこから飛び火したような「イスラム国」問題…)。
めぐりめぐって、というか、少なからず、どこかの国と関係が絡んでくる。
コーカサス地方のある国は、イランと進行が深いが、他国はそうではない。
イランと親交がよくない国は、トルコと中が親交があり、トルコとは中があまりよくない…。
石油資源国のイランとそのパイプラインが通っている供給国であるトルコ。
それらの国々と宗教面や外交面、あるいは、民族問題や歴史的外交。
EUと中東の国に挟まれ、そして、東には、ロシアという大国がある…。
ほんとうに、複雑な利害関係が絡み合っているということが、本書を読んで痛感しました。
上記と同じことを書いていますが、ほんとうにそういうことなのです。
島国日本もそれなりに隣国との間に複雑な関係を持っていますが、コーカサスの三国も同じように、あるいは、それ以上に複雑な関係で成り立っているンだなぁ…と。
付箋もいっぱい貼りました。
また、再読したいです。
そして、コーカサス地方の政治などは、さらに変化していることと思います。
本書の著者は、この地方を専門としていらっしゃるようなので、近年刊行された本を読んで、また、新たな知見を得たいと思います。
読み応え充分な本でした。
新たな知見を得ることができた本でした。
おすすめ、です。
読み終えた本とこれから読む本です。
読書の秋〜!