読書日記。『生物多様性とは何か』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

今日も一日中、曇り。

雨が降るようで降らない空模様。

午前中は晴れ間も見えていましたが。

さて。

読書日記。

読了。
井田徹治『生物多様性とは何か』（岩波新書）

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右下にちらっと見えていますが、図書館の管理シール。

図書館で借りた本。

う〜ん、やっぱり買った方がアンダーラインも引けるし、付箋も貼れるし…。

でも、その前に読む（笑）。

図書館で借りて、「買うかどうか」という、なんか支離滅裂、本末転倒な感じですが。

さてさて。

ブクログから。

生物多様性とは何か (岩波新書)

著者 : 井田徹治

岩波書店

発売日 : 2010-06-19

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書名通り。わかりやすい内容。
動物だけでなく、植物も含めて、地球上のあらゆる生命は連鎖しているということが、よくわかる。
どれか一つでも欠ける（絶滅する）と、バランスを失っていく。
現代社会において人間、とくに先進国の快適な世界の裏には、種の絶滅を招くような環境破壊の上に成り立っていることを思い知らされる。
中盤は少し冗長な感じがしたが、全体的にみて良書だと思う。

いろいろ考えさせられました。

ちょっと印象的だった部分を引用しますね。

「自分の携帯電話やパソコンの中に使われているタンタルが、ゴリラが生息する保護区内で違法に採取されたものでないと自信を持っている人はほとんどいないだろう。先進国の便利な生活が、こんな形でアフリカの生物多様性の損失につながっていることへの認識を求めなければならない」

「タンタル」というのは、携帯電話やパソコンには欠かせないコンデンサーに使われる資源のことです。

他にも、コーヒー豆の栽培のために、森林が伐採され、そこに生息する生物、あるいは植物が絶滅の危機に瀕したり、…など。

人間が生活の快適性、快適性、「豊かな」社会を欲しようとすればするほど、環境破壊がすすみ、そこに生息する動植物の種の絶滅を招くという現状。

・・・。

難しい問題…。

もちろん、種の絶滅を防ぐために、国際的な機関や企業や学者などが活動して、繁殖に成功し、個体数が増えた例もあります。

しかし、その反対、みすみす種の絶滅に追いやってしまった事例もあります…。

動植物に含まれる成分。

それが人間の健康にわかると、医薬品に使われます。

本書では、フィリピンでの事例を挙げていました。

アメリカの製薬会社が、タダ同然で買い、その植物、動物を使い、医薬品を開発し（抗生物質など）、特許を取り、莫大な利益を得る。

しかし、当のフィリピン政府にも、提供した漁村の住民にさえ、その利益配分がされないという現状。

残ったのは、環境破壊と種の存続の危機。

世の中の矛盾…。

「食物連鎖」という言葉は、漠然と学校の授業で習って知っていました。

しかし、本書を読むと、ほんとうに地球のシステムというのは、数え切れない種類の動植物のバランスの上に成り立っているのだということを痛感しました。

稚拙な言葉になってしまいますが、ほんとうにそう思います。

本書の最後にあった参考文献。

唐沢孝一『スズメのお宿は街のなか―都市鳥の適応戦略』（中公新書）

エドワード・O. ウィルソン『生命の多様性』

鷲谷いづみ『自然再生―持続可能な生態系のために』（中公新書）

これらの本も図書館で借りて、よければ買いたいです（笑）。

特に鷲谷さんの本は、読みたいですね。