読書日記。『意識はいつ生まれるのか』
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
いろいろな事に興味がある毎日。
といっても、本のことですが。
あれも読みたい、これも読みたい。
日曜日の新聞の書評欄を楽しみにしていたり、新聞下段にある本の広告を隈なくチェックしたり。
さてさて。
かなり更新をサボりかちな、「読書日記」。
もう、数冊読み終わっていますが、どうも、順番にしないと気が済まないので(これも一種の、強迫性障害の症状でしょうか)。
読了。
ジュリオ・トノーニ/マルチェッロ・マッスィミーニ )著)『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』(亜紀書房)
内容は、「統合情報理論」というもの。
なにやら難しい書名ですね。
実際、読むと難しかった。
けれど、書名にあるように「意識はいつ生まれるのか」(あるいは、どのようにして意識はできるのか)について、(たぶん)かなりわかりやすく書かれていると思います。
自分は、もちろんこの分野の専門的な知識もないので、ちんぷんかんぷんなところもありましたが、知的好奇心はそそられました。
いわゆる「文系」人間なので、こういう「理系」的な書物も読んで、知的好奇心をかき立て、あるいは、貪欲に知識を吸収する。
(身につくかは別として)
読んでいて、「おお、なるほどぉ」と思うこともあり。
本書の冒頭にも書かれていますが、頭蓋骨などで大切に守られている人間の「脳」。
「脳」といっても、いろいろな部位や、それに関わる他の器官も含めますが。
手のひらにすっぽりとおさまってしまうくらいの大きさしかないのに、本当に複雑なことを認識し、行動につながる。
いや~、ほんとうに不思議ですね。
本書から個人的に興味を持った部分をいくつか。
手術中でのお話。
種々中に意識を取り戻す患者は、通常1000人に1人の割合らしい(あるんだ…)。
反対に言えば、手術中になんらかの原因で「意識」が戻ることがある(ええぇ!)。
ただ、「痛み」というものはなく、「自分は手術されている」ということがわかるだけ。(あまり、そういう機会にあいたくないですね)
本書では、あろうことか、麻酔士がその経験をしている(!)ことも紹介されています。
そして、「麻酔薬が手の先に届かないようにして実験する」と3人に一人は意識があるという結果になる。
う~む…。
意識と関連づけて言えば、植物状態の方。意識はあるのか、ないのか。どうなっているのか。
一見、外界とのコミュニケーションが取れないと思われている植物状態の脳も、意識がある場合があるのではないかとの疑問から行った実験結果。
その一つは、fMRI(とかいう医療機械)を使って実験すると、健康な被験者と脳に損傷を負って全く意識がないと診断された患者を使って、テニスをしているところを想像させるよう話しかけたところ、全く同じ大脳の特定の部分に反応が現れたという(!)。
また、別の実験では、…。
あまり書くとネタバレになるので、割愛。
他にも、睡眠時の脳と意識の関係や、「動物には意識があると言えるのかの考察」、「コンピュータによってニューロンネットワークを再現して意識が生まれるのかといった考察」などなど。
ほんとに、人間の脳というものは、すごい力を秘めているというか、すごい…。
読了したのが8月中旬頃。
最近(11月)になってから、認知症についての特集番組を見ていて、この本に書かれていることを思い出しながら見ていました。
認知症を患っている方々(特に重度の方々)と脳・意識との関係。
少なくとも、テレビの内容では、自分の感情をはっきりと持ち(補助する人が必要ですが)、手記を書くことでき、そこから「自分がどう周りから思われているか」という感情などを綴っていました。
読むのに、少し時間はかかりましたが、読み終わった時の感覚は、手応えアリでした。
真夏から時間が経ち、あちこちのメディアで書評も取り上げられています、
ほんとに、おすすめです。
意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論
おまけ。
この本を翻訳し、出版されているのは、亜紀書房さん。
ホームページは、こちら。
亜紀書房さんの回し者ではないですが、ほんとに良質な翻訳書を出版しています。
亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ。
手元のある本は、2刷。
本当は初版が欲しかった。
一度は、発売前に予約していたけれど、金銭的理由(あるいは、他の本を買うためという理由)で、キャンセル。
しかし、夏休みに大阪に行った際、いつもの書店で目に止まり、結局飼うことに。
「初版本がいいのだ!」という、わけのわからない欲求も空しく、あるのは、2刷が一冊。
あとは、3刷。
で、2刷を。
おまけ。その2。
亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ。他にも読了&積ん読本があります。
あるいは、購入予定の本とか。
ああ、時間が。
おまけ。その3。
10~11月現在、今は、言語学関係の本に興味津々であります。
こちらも既にいくつか読了済み。
(はたして、いつ「読書日記」としてブログに書くことができるのか…)
黒田龍之助さんの本です。
わかる人には、わかります。
「あちら方面のつぶやき」では、「読了」報告済みで、短い感想をつらつらと。
フォロワーさん、ごめんなさい。
読書、万歳!(唐突)
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