読書日記。『破獄』
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
朝、晩、めっきり涼しき鳴ってきました。
秋の虫の声もよく聞こえます。
日中は暑いですが、それでも心なしか、空の青さも秋めいてきたような気がします。
さて。
読書日記。
読了。
すごかった。
過去にあった事件に基づいた物語なのですが、どこまで脚色しているんだろうか、というほど、ほとんど事実に基づいて描かれているんじゃないかと思いました。
ほとんど会話文がなく、淡々と物語が進みますが、要所要所で、登場人物の心情が“じりじり”伝わってきます。
吉村昭さんの小説をここ数日呼んでいますが、この『破獄』は特にすごかった。
以下、ブクログから。
4回も脱獄を繰り返したという、実在した男をモデルとした小説。
「あとがき」に、「十七年前(註:昭和54年)、元警察関係の要職にあった方から、脱獄をくりかえした一人の男の話をきいた。警察関係者とは作中の桜井均(仮名)であり、一人の男とは私が佐久間清太郎と名付けた人物である」とある。
資料を基に大きく肉付けしてあるだろうが、ノンフィクションでなく、フィクションに仕上げた作者の筆力は、さすがである。
会話文もかなり少なく、淡々と男や看守の心理描写が描かれ、緊迫感がある。
男は、その並々ならぬ監獄の壁を破り、「容易ならざる特定不良囚」と呼ばれる。
その体力もさることながら、洞察力、判断力、忍耐力が尋常でない。
ある看守長の言葉のように、まさに「その類稀なる智力と体力を、他のことに向ければ、何事かを成し遂げられた男になった筈・・」である。
ただ、脱獄を繰り返した男の話だけでなく、脱獄と戦前・戦中・戦後の時代と重なり、当時の時代背景なども知れる。
(二・二六事件のあった年から「男」の脱獄が始まる)
戦時中の食糧難と囚人の死亡者数、あるいは、時に一般人よりも栄養に恵まれた食糧を食べることができていたこと、…。
物語の最後は、少し感情的に流されそうな部分もあるが、人情話で終わるのでなく、淡々と「男の物語」は終わる。それがよい。
読み応え、充分にあり。
新潮文庫なので、「ナツイチ」に入れてもいいのではないのかと思う一冊であった。
「容易ならざる特定不良囚」。
文中にもありましたが、ほんとうに、4回も脱獄を繰り返したその能力を、もっと別の世界で発揮していたら、どんな人物になっていたのだろうか、と。
戦前、戦中、戦後といった戦争という時代背景とともに、看守。囚人のおける環境、時代に翻弄された人々の姿も描かれているので、この部分でもいろいろ参考になりました。
特に、戦争末期では、一般市民よりも囚人の方が食事がよく、栄養状態もよかったという点は、なんというか…。
物語の最後は、それまでの冷静な筆致からずれて、少し感情に流されるような感じもありますが、それでも、しっかり客観的な視点で描かれ、淡々と「容易ならざる特定不良囚の物語」が終わります。
・・・、ってほとんどブクログに書いている内容ですね。
ブクログの最後に、チラっと書きましたが、ほんとに「ナツイチ」に入れてもいいのではないかと思う。
まあ、「ナツイチ」は、爽やか、あるいは、古典的なものが選ばれていますが…。
読書好きの、中高生さん、機会があったら、ぜひ、この『破獄』を読んでください。
個人的には、薦めます。
Wikipediaで、調べたら、この小説の元になった「事件」があります。
登場人物の名前以外は、小説の内容とほぼ同じ(当たり前か)。
決して、Wikipediaで検索したり、レビューなどを読んだりしないように。
って、このブログ記事がレビューの一つになっているか…。
まあ、とにかく、興味を持った人は、ぜひ読んでください。
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