読書日記。『大正天皇』(朝日選書)
「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」
相変わらず、コロナ禍、収束してませんね。
緊急事態宣言も出ているのに、多くの人が外出しているという矛盾。
う〜ん。
専門家の方が仰っていたように、3年くらいはかかるのだろうか。
もしそうだとすれば、2023年末?まで、この事態が続くのかな…。
めっちゃ旅行行きたい。
個人的は、金沢に行きたい。
YouTubeで、ひとり旅、動画を見る日々。
行きたいな。
カメラ持って、あちこち、歩き回りたい。
さてさて。
読書日記。
読了。
ふと、漠然と「大正天皇」のことが知りたくなって読んだ本。
その前に、『漢詩人 大正天皇』で、いかに文才、漢詩の教養が深い人であったのかはわかりました。
(ほんとうに、漢詩に対する造詣が深い。)
では、その優れた教養を持っておられた「大正天皇」とはどのような人であったのかを知りたくなり、手に取った本が本書。
大正天皇についての数少ない評伝の一つ。
子どもの頃、「大正って、たった15年しかないのか。短い期間だったんだな。」「へぇ、病気で〜」というくらいの知識でした。
「遠眼鏡事件」というものは、なんとなく聞いていただけだったので、詳しいいきさつなど知らず。
本書は、大正天皇が即位していたときの首相原敬の日記をもとに、その人物像を探ろうとしています。
「大正天皇」という書名ですが、主に、皇太子時代の言動を中心に解説し、その”為人(ひととなり)”を解き明かそうというものでした。
巡啓、行啓で地方の人々と気さくに話しかける人柄は、意図せず、皇室を国民との距離を近づける、親近感を持たせるものとなったようです。
ほんとに、ふらっとひとりで出かけ、市井の人に「どの道を行けばいいのか」と尋ねるエピソード。
また、「お腹が空いているでしょうから、お茶漬けでもどうぞ」と大正天皇に話しかけているとは知らずに、お茶漬けを食べたりというエピソードとか。
そういう言動を苦々しく思っていた山県有朋との確執も初めて知しりました。
また、この巡啓・行啓が地方のインフラ整備にも一役買っていたというのも、見逃せない事実。
明治・昭和という大きな時代の転換期にすっぱりはまったような「大正」。
しかし、この大正天皇こそが、後の昭和以降に続く象徴天皇制など、大きな影響を与えることになったという。
知れば知るほど、歴史上で重要な人物なのに、評伝なども少なく、研究も少ないという希有な事例。
今回も、重要な読書体験ができました。
追記。
誰もが知っているという「遠眼鏡事件」。
しかし、いざ調べてみると、いつ起こったのかすら定かではない
。”誰もが知っていた”のに具体的な証拠がほとんどない。
かろうじて残っている目撃証言も、不思議なことに、あやふや。
よくよく調べると起こった年代もはっきりしていない。
真偽のほどはいかに。
人の思い込み・噂はこわいです。
次は、こちらを詠みます。