なりあき YEAR BOOK

人を愛する者、人恒に之を愛す。人を敬する者、人恒に之を敬す。

読書日記。『最暗黒の東京』

「ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます。」

 

読書日記。

 

読了。

松原岩五郎『最暗黒の東京』(岩波文庫)・図書館本

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読むきっかけは、おすすめに挙がっていたから。

 

図書館で借りました。

 

非常に有益な読書でした。

 

”明治中期の東京下層民の生活実態を克明に記録したルポルタージュ二葉亭四迷の影響で下層社会の探訪を始めた著者(1866‐1935)が、貧民街に潜入、職業を転々としながら、木賃宿の実情や日雇人夫・見世物師・車夫等の暮しぶりを描き出したもので、横山源之助『日本の下層社会』とならぶ明治記録文学の傑作。”(「BOOK」データベースより)

 

筆者自ら貧民街に立ち入り、時には日雇い労働者になり、人力車の車夫の会計を務め、車夫の生活実態を報告し、その人々の生活の実態をありありと描いている。

 

学校の日本史で習った富国強兵・殖産興業の裏に、習わなかった国の政策から取り残された人々の生活の実態を知ることができた。

 

華やかな文明開化という表の顔と、そうでない、日本紙の裏の一面。

 

こういう人々もいたということを知ることができる貴重な記録文学

 

他のレビューにも合ったように思うが、この当時の人々の暮らしは活き活きとしていた。

(少なくとも、本書に記録された人々の生活のありようは)

 

それに比べ、現代は…。

 

なにが、こうもちがうのだろう。

 

岩波文庫では、絶版になっているんですね。

 

講談社学術文庫で、今は読めるようです。

 

岩波書店さん、復刊、希望です。

 

 

 

最暗黒の東京 (講談社学術文庫)
Amazon(アマゾン)
598〜4,050円

 

最暗黒の東京 (岩波文庫)
Amazon(アマゾン)
50〜18,900円
 
 
 
 
 

 

 

 

こちらも関連書籍として。

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)
Amazon(アマゾン)
300〜3,135円